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大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)1208号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、事故

請求原因第二一(一)ないし(九)の事実は当事者間に争いがなく、<証拠>によれば、A車とB車とが北進中に接触して、A車が南進中の被害車に衝突したことが認められる。

二、責任原因

(一)被告本間

<証拠>によれば、被告本間は、A車を所有し、自己のためこれを運行の用に供していたことが認められる。

そこで被告本間の免責の主張について判断する。

<証拠>を綜合すると、本件事故現場は、生駒山山上に向う近鉄ドライブウエイで、幅約七メートル、道路上に中心線が記されてあり、一〇〇分の六の勾配で北から南に上り坂となつている見通しのよい直線部分であり、制限時速四〇キロメートルと指定されており、事故当時自動車および単車の交通がひんぱんであつたこと、被告本間は、A車を運転して南から北に向つて時速約五〇キロメートルで進行中、前方を同方向に進行していた被告上田運転のB車が同方向に進行中の乗用自動車の右側を追いこそうとして道路中心線より右側に出て進行しているのをみて、更にB車を右側から追いこそうとして加速し、乗用車の追いこしを終つたB車の右側を併進した際、B車に接近しすぎて、被告上田がハンドル操作を誤つてやや右に出たためにA車とB車のハンドルが接触し、そのためA車は安定を失つて右斜に進行して中心線をこえて対向車線上に飛び出し、A車の右側面が中心線附近を対向してきた被害車の右側面に接触してこれを転倒させたこと、原告奥西は、被害車を運転し、友人の原告古川を後部荷台に同乗させて北から南に向つて道路の左側の中心線寄りを時速三五メートルで進行していた際、前方約二八メートルの地点にB車が中心線をこえて乗用車を追いこしたのを認めたが、そのまま進行中前方約一〇メートルのところで追いこしを終つたB車の右側を更に追いこそうとして併進していたA車がB車と接触して安定を失い、そのまま斜めに進行して中心線をこえて被害車の進路上に出てきたため、原告奥西は、ハンドル、ブレーキの操作によつてこれを避けるいとまもなく接触したことが認められ、証人稲田博幸、同伊達秀男の各証言および被告本間本人尋問の結果中、原告奥西が中心線をこえて道路右側を進行していた旨の供述部分は前記各証拠に照らし到底措信し難く、他に右認定を左右しうべき証拠はない。

以上認定の事実によれば、被告本間は、制限速度をこえて幅員の狭い交通量の多い道路上で、乗用車を追いこしたB車を更に追いこそうとしてB車に接近しすぎたために本件事故を発生させたものであり、A車の運転について全く注意を怠らなかつたものとは到底認められないから、A車の運行供用者としての責任を免れない。

(二) 被告上田

前記二(一)の事実によれば、被告上田は、B車を運転中、幅員の狭い交通量の多い道路上では、対向車に十分注意して無理な追いこしをひかえるべき注意義務があるのにこれを怠り、中心線をこえて乗用車を追いこし、かつB車の右側にA車が接近して併進中ハンドル操作を誤り、やや右に出てB車をA車に接触させた過失によつて本件事故を発生させたものと認められるから、被告上田は、原告らに対し、不法行為による損害賠償責任を負うべきものである。

二、原告古川

前記二(1)の事実によれば、原告古川は友人の原告奥西が運転する被害車の後部荷台に同乗していたものであつて、被害車が第二種原動機付自転車であることを考慮すれば、同乗はある程度運転者のハンドル操作等運転を制約することになつて運転者の過失を誘発しやすく、運転者が運転を誤つた場合にはその危険は直ちに自らにも及ぶことを十分認識していたものと考えられるから、原告古川の本件事故現場における同乗行為は本件事故による原告古川の損害額算定についてしんしやくするべき過失というべく、その過失割合は五パーセントとするのが相当である。従つて原告古川の治療費支払による損害は四七八、二二三円の一〇〇分の九五の四五四、三一一円(円未満切捨)となる。 (山本矩夫)

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